KMC活動ブログ

京大マイコンクラブの活動の様子を紹介します!!

詳しくない人が調べながら一晩でバ美肉した話

こんにちは

 私はKMC42期のgolgiです。TwitterのIDはppyrobotakeでやっています。ブログを書くのは初めてなのでお見苦しい点もあるかと思われますが、温かい目で見てくださると助かります。ちなみにバ美肉というのはバーチャル美少女受肉の略です。

この記事はKMCブログリレー2020一環の記事です。  

blog.kmc.gr.jp

きっかけ

 みなさんはzoomやDiscordでビデオ通話をしたことはありますか? 私は今までなかなかする機会が無かったのですが、新型コロナウイルスの影響でサークル活動もオンライン上になったことでその機会が発生しました。しかし自分の顔面を共有してもなんも楽しくないな~と思い、せっかくの機能をオフにしていました。

そこで女の子になることにしました。

必要だったもの

  • カメラ付きPC

 動かして遊ぶだけなら高スペックである必要はなさそうです。私はSurface laptopを使っています。WindowsでやったのでMacでのやり方は一部違いそうです

  • Facerig

 オタクの顔面を認識してキャラクターを動かしてくれるソフトです。すごい。これさえあれば一瞬で美少女になれます。美男子やおばあちゃん、ケモノにもなれるみたいです。Steamで1500円ぐらい

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Facerigの画面

  • お絵描きソフト

 Facerigがもともと用意してくれているモデルがわりとあるのですが、自分で描きたい!という人は描きましょう。私はiPadのClip Studioを使いました。ここではお絵描き環境の導入については割愛します。

  • Live2D

 オタクが描いた絵を動くようにするソフトです。すごい。Live2Dで動き方を作っておいて、Facerig上で動いてもらうことになります。製品版とFree版があり、機能の制限はありますが無料でも利用できます。私はFree版を利用しました。

実際の流れ

オタクが美少女になるまで

 まずはFacerigを購入しました。海外のソフトですが日本語表示にできます。デフォルトだと3Ⅾのモデルしか入っていないので、アニメ調の2Dモデルが追加されるDLCも購入しました(398円)。実際に使う絵はすぐ自分で描いたので結果的に必要なかったのですが、2Dモデルが動く雰囲気を掴むにはいいかもしれません。購入~各種設定は下記のサイトが分かりやすく書いてくださっているので、そのまま従いました。 www.cg-method.com この時点ですでに私の顔面はオタクではなくなっています。Facerigを起動したままZoomやDiscordの使用カメラをFacerigのものに切り替えることで、新たな姿でビデオ通話に参加することが可能です。Facerig側で「ブロードキャストに切り替える」をオンにしておきましょう。

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喜ぶオタク
実際に動かしてみると、自分の顔面の動きに合わせてイラストが揺れたり表情を変えたりするのは想像以上に楽しいです。普段は鏡でじっくり自分の顔を見ることなど全くしないタイプの人間なのですが、PCの前で口をパカパカしたり瞬きをしたりするだけの無意味な動きを永遠にしていました。

しかしやっぱり自分の絵を動かしたくなってきます。

オタクが絵を描くまで

 私はtwitterなどに利用しているオリジナルのアイコンがあるので、見て私だとわかるようにそのアイコンを擬人化することにしました。普段絵を描くときはまずラフ(下描き)を描いて、その上に一つのレイヤー(層)で線画を描いて、色塗り用のレイヤーで色を塗っていくのですが、今回は後で動いてもらう絵なので普段通りには描きません。

このあと動かすにあたってパーツごとに分かれている方が嬉しいので、線画の段階で前髪や頬などの部位ごとにレイヤーを分けていきます。逆に、線画と色塗りではレイヤーを分けません。もちろん描くときは分けた方が描きやすいですが、最後に部位ごとに1枚のレイヤーに統合しましょう。

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パーツごとにレイヤーを分ける 見えないところも塗っておく

また、普通に絵を描くと顔の位置が変わったときに首や髪があるはずの場所に「無」が発生してしまいます。顔が宙に浮くと不気味なので、手前のパーツで隠れる部分も書いておく必要があります。首は顎までではなく口のあたりまでのばします。

目や口など開閉してほしいパーツは、中身と上側と下側で分けておきます。たとえば口は、中の赤い空間・上唇・下唇の三つに分けるといい感じになります。私の絵は唇は線だけで赤く塗ったりしないのですが、ここでは線の外側を肌色で塗っておきます。こうしておくと口を閉じるときに、上唇の画像を変形するだけで口の赤い部分がうまく隠れるというわけです。

絵が描けたら、psdファイルの形で保存します。Clip Studioで絵を描いているなら、別名で保存から、形式でPhotoshopドキュメントを選べばできました。ちなみに上の画像のように各パーツの位置をバラバラにする必要はありません。

絵に動きを設定する

 ここからはLive2Dの出番です。Live2Dの公式サイトからCubism Editorをダウンロードします。(私がダウンロードしたのは1年前なのでバージョン3.3で、最新バージョンだとこの記事の説明は間違っているかもしれません)

Cubism Editorを起動したら、まず画面右側のなにもないところにさきほどのpsdファイルをドラッグ&ドロップします。描いた絵が表示されたら、画面左上のファイルから「テンプレートを適用」を選びます。自分でいちから作ってもいいのですが大変なので、利用できるものは利用してしまいます。f:id:kmc-log:20200506120023p:plain

よさげなテンプレートを選んだら、テンプレートのモデルを変形させて自分の絵に近づけていきます。目の位置など各種パラメータをいじっていきます。しっかり合わせた方が後が楽ですが、後からどうとでもなるのでこだわりすぎなくても大丈夫です。

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テンプレモデルは点滅と半透明表示を切り替えられる

できたと思ったら左上の「テンプレート適用レビュー」をクリックします。実際に自分の絵が動き出してくれるのですが、この時点ではかなり奇怪な動き方をしてしまうので、自分の絵とテンプレのモデルの各パーツ同士を対応させていきます。描いた絵のすべてのパーツが適切なパーツに対応しているかを確認しましょう。

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目を開けたまま瞬きする変態
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白目同士を対応させて解決!(解決しないことも多い)

上の調整で多少マシにはなりますが、目のあたりなどはまだ異様な挙動をやめていないことが多いです。他にも思っていたのと違う動きをするところがあると思うので、ここからは手動で調整していきます。手動で調整と言うと大変そうに見えますがほとんどの部分は勝手に補完されるので、実際自分がやることはそれほど多くありません。例えば、目が一番開いている瞬間と、目が完全に閉じている瞬間の2状態を設定するだけで、その間の薄目や半開きがいい感じになるように補完されます。この作業中は人類の叡智に恐れおののきながらやることになりました。Live2Dすごい。

動きを作る前に、パーツ同士のクリッピングをしておきます。クリッピングというのは要ははみ出ないようにすることです。瞳孔が白目の範囲からはみ出てほしくないので、画面左上のパーツの欄から黒目を選んで、クリッピングのところにクリッピング先のパーツIDを入力しました。こうすると白目を閉じたとき瞳孔も白目と重なっているところしか表示されないのでいい感じになります。

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クリッピング

目を閉じている状態を作るには、パラメータの「右眼 開閉」を一番左にしてから各パーツを変形させていきます。各パーツにはメッシュというあみあみが設定されているので、このあみあみの各頂点をつまんでドラッグすれば直感的に変形できます。すごい。こだわる場合はメッシュの付け方(割り方)も自分で設定できるようですが、自分は初心者なので自動でついているメッシュのまま操作しました。

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白目をメッシュ変形

同様に各パーツの各パラメータの状態を設定したら、パラメータのゲージを動かしてみて変な動きをしないか確認します。よさそうなら、Facerig上で使える形に出力していきます。左上からモデリング→テクスチャ→テクスチャアトラス編集をしたら、ファイル→組み込み用ファイル書き出し→moc3ファイル書き出しをやります。ここは適当にOK押してればなんとかなります。ただ、複数のファイルを生成してくれるので、出力先は空っぽのフォルダにしましょう。これでLive2Dで作りたかったものは完成です!

Cubism Editorの説明は私の理解がめちゃめちゃ浅いので分かりやすさのためにかなり簡略化したので、雑だったり触れていない便利機能がたくさんあったりします。詳しく知りたい方はネット上にさまざまな素敵サイトがあるので調べてみてください。ちなみに私がおおいに参考にしたものの一つはKMCの2019年春合宿での先輩の講座スライドで、これはなんとKMCに入部すれば自由に閲覧することができます。入部しよう!

オタクの顔面をオタクの描いた絵にする

 いよいよ自分の絵をFacerig上で動かします。先ほど出力したフォルダを\FaceRig\Mod\VP\PC_Common\Objectsにコピペします(\Facerigはたいていの場合C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\commonにあるはずです)。

これであとはFacerig上のアバター選択で追加したものを選ぶだけ、のはずなのですが、どうもおかしい。真っ黒なシルエットしか表示されません。何か間違えてしまったようです。途方にくれましたが、私はKMC部員なのでSlackやDiscordで他の部員に助けを求めることができ、やさしい他の部員のアドバイスによって解決しました。君も入部しよう!!!!

ちなみに動かなかったのは出力したファイルのひとつをコピペで移動し損ねていたからでした。

まとめ

 いかがでしたか? 実際に動かしてみると自分の絵が自分の顔面の動きに合わせてグリグリ動くのは異常な高揚感があります。KMCのDiscordで使用しているのですが、無意味に揺れたり瞬きするだけで笑顔になれます。また副次的な効果として、常に顔面がPCカメラの認識範囲内にあってほしいので姿勢がよくなりました。ビデオ通話の機運が高まる昨今の情勢において、真の肉体を手に入れることはQOLの向上に非常に効果的なので、みなさんもぜひお試しください。そしてKMCに入部しよう!!!!!!!!!

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